2024.06.04
フィギュアスケート選手の治療とケア
2024.06.04
テニス肘は、名前の通り、テニスをされている方に発症しやすいものです。
しかし、その他のスポーツや仕事や家事などで手をよく使う方でも痛める可能性があります。
身体の使い方や日常生活での負荷の影響が大きいため、痛みがでないためには対策が必要です。
このページでは、テニス肘の症状と対処法をわかりやすくご紹介いたします!
別記事にも、テニスに関連するコラムを掲載しております!ぜひご覧ください♪
テニス肘とは、肘の外側上顆(がいそくじょうか)といわれる指・手関節を伸展する前腕の伸筋腱群とつながっている部位が、炎症で痛む症状です。
外側上顆に痛みを発するので、正式名称は「外側上顆炎」といいます。
テニスプレイヤーによく起きる症状なので「テニス肘」と呼ばれていますが、テニスの他に卓球やバドミントン、ゴルフなどのスポーツや、パソコンやスマホの使いすぎなど日常生活が原因でテニス肘になる方もいます。
テニス肘の発症メカニズムは、主に以下のような過負荷と炎症反応の連鎖に関連しています。
1.過度の使用: 手首や前腕の反復動作や過度の使用により、腕橈骨側腕筋(外側の前腕筋)の付着部に微小な損傷が生じます。
2.損傷と炎症: 反復動作や過度の使用により、腕橈骨側腕筋の付着部で微小な断裂や炎症が発生します。これによって、痛みや腫れが現れます。
3.組織の修復反応: 損傷が起こると、身体は組織の修復を試みます。炎症反応が始まり、炎症部位には免疫細胞や炎症性物質が集まります。
4.慢性化: 反復的な過負荷や使用が続く場合、組織の損傷と修復のサイクルが繰り返され、慢性的な炎症が継続します。これによって痛みや機能障害が長期化し、テニス肘として知られる状態が発生します。
要するに、テニス肘は腕や前腕の組織に反復的な過負荷がかかり、炎症反応が起こることで発症します。重要なのは、テニス肘はテニスプレイヤーだけでなく、他のスポーツや日常生活の活動でも発症する可能性があるということです。適切な予防策や治療方法を用いることで、テニス肘の発症リスクを軽減できます。
ラケットでボールを打つときの衝撃は手首から伝わり、肘の付け根の腱にまで及びます。
練習のしすぎや、身体に合わない打ち方、ご自身に合わないラケットを使っているとテニス肘になりやすいと言われています。
テニスプレイヤーの中でも週3回以上練習をしている選手の方が発症頻度が上がると報告があるように、多くは腕の使いすぎ(オーバーユース)がほとんどです。また上級者よりもラケットや身体をうまく使えない初心者の方がなりやすいと言われています。
重たい荷物を運ぶ運送業や、鍋やフライパンを使う料理人など、日常的に腕や手・手首を酷使してしまうことが原因となってテニス肘を起こしてしまいます。
また長時間のデスクワークでパソコンやスマホの使いすぎでも腕に負担がかかるためテニス肘を発症しやすいと言われています。
女性は筋力が弱く、日々の家事や小さい子がいる育児の場合は腕を使う動作が多いことから、発症が多くみられます。
若いうちに発症することは少なく、30〜50代以降になると発症が多くなります。
年齢が上がるにつれて、腕の筋力が低下することや、肘の腱の強度も落ちてくることが原因と考えられています。
・テニスのバックハンドやサーブのときに痛みを感じる
・肘の外側が痛い
・圧痛(押すと痛む)
・熱感
・二の腕から手にかけての痛み
・手首の脱力感
・物をつかんで持ち上げるときに痛い
・パソコンやスマホ操作で、肘に痛みがでる
・安静時はあまり痛みを感じない
テニスもやっていないし、転んで手をついたり、伸ばしてしまったなど思い当たることが無いのに、日常生活で物をつかんで持ち上げた時など指を伸ばす動作で、肘の外側が痛む場合は、テニス肘の可能性があります。
腕に痛みがあり、テニス肘の症状をみて「もしかしたらテニス肘かも?」と疑う場合は、テニス肘のセルフチェックを行なってみましょう。
簡単にできるテスト法をご紹介するので参考にしてください。
痛みを感じる方の腕の肘を真っ直ぐ伸ばし、手のひらを下にした状態にして、もう片方の手でその手首を内側に曲げる様に掴みます。痛みを感じる方の腕はその曲げようとする力に抵抗して真っ直ぐに戻そうとしてみてください。
これで肘に痛みを感じたらテニス肘と判断できます。
パイプ椅子など1人で持ち上げられる椅子を準備してください。肘を伸ばした状態で、椅子をつかんで持ち上げてください。
この時に痛みがあればテニス肘の可能性があります。
痛みを感じる方の肘を伸ばした状態で手の中指を伸ばして、もう片方の手で爪側から下に向かって中指を押さえつけます。中指はそれに逆らうようにして上に伸ばしてください。
これら3つのセルフチェックのうち1つでも痛みを感じるのであればテニス肘を疑い、専門家に診てもらうことをオススメします。
無理に痛みのでる動作をしないことが大切です。「手首をひねる」「重たい物を持つ」といったような痛みが出る動作はできる限り控えましょう。悪化してしまうと、回復するまでの時間がかかってしまいます。
急性の場合は炎症を抑えるため、患部をアイシングしましょう。ビニール袋に氷水をいれたものや氷嚢で、肘の内側と外側の痛む箇所に当てて冷やしてください。
ストレッチは怪我の予防だけでなく、痛みの軽減にも効果的です。また筋肉が硬くなってしまうと、負荷が掛かった場所へダメージが蓄積しやすくなるので、筋肉の柔軟性を保つストレッチが有効です。
腕全体や手首をゆっくり回すだけでも効果があります。
試合や練習、仕事などでどうしても肘や手首を動かす必要があるときには、サポーターやテーピングで衝撃を抑えることで、テニス肘の痛みを軽減させたり、予防することが可能です。
痛みがおさまったら、日頃からトレーニングを行うことがオススメです。
筋力を強化することで、テニス肘の予防となります。
痛みがでている時や熱感がある場合は、悪化させないためにも安静にしましょう。
炎症がある場合は、痛み止めの飲み薬や湿布を使用することで症状が改善します。
ただし、飲み薬などは消化器への副作用が懸念されるため、短期間の使用もしくは専門家へご相談ください。
急性で痛みが強い場合、痛みを取り除くためにステロイド注射は効果的です。
痛みのある部分に注射をすると、1〜2ヶ月程度は症状が改善することが多いですが、痛みが再発する場合も少なくありません。
注射を打つ効果的な期間や回数など注意が必要ため、担当ドクターとよく相談されることをオススメいたします。
ストレッチや筋トレのリハビリテーションは、即効性はありませんが、中長期的に見ると効果が高いという調査報告もあります。身体の痛みに配慮して正しいリハビリを行うことで、怪我の回復だけでなく予防にも有効です。
痛みがある部位の周りの筋肉や筋膜をほぐしたり、ストレッチすることで血流を改善させ、痛みを緩和させます。
ご自身で正しいやり方がわからない場合は、専門家へ相談することをオススメします。
薬物療法やリハビリでは改善が見られず、症状が悪化してしまい日常生活に支障をきたしてしまうぐらい痛みが強い場合は、手術を行うケースもあります。
・テニス(その他スポーツ)をしていて肘から腕にかけて痛む方
・重たい物を持つことができない方
・運動していないのにテニス肘と言われた方
・雑巾や布巾を絞ると痛い方
・パソコン・スマホを使いすぎている方
テニス肘は繰り返す運動や作業によって起こってしまうため、そのまま放置しても改善されません。症状が進行すると手術の対象となる場合もあるため、痛みを感じたらまず安静にし、専門家でしっかりケアを行い予防することが重要です。
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伊藤 萌(Moe Ito)
1988年生まれ、東京都出身。主に直営店舗のデータ管理やPRを担当。
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