2024.06.04
フィギュアスケート選手の治療とケア
2024.06.04
野球肘は名前の通り、野球をされている方に発症しやすいスポーツ障害です。
野球以外でも、腕を上にあげる動作の多いスポーツで生じることがあります。
身体の使い方や日常生活での負荷の影響が大きいため、痛みがでないためには対策が必要です。
このページでは、野球肘の症状と対処法をわかりやすくご紹介いたします!
野球肘とは、投球動作によって肘を痛めてしまうスポーツ障害のひとつです。
最も多く発症するのが、ピッチャーやキャッチャーのポジションを任せている成長期の小中学生の野球選手です。
野球をやっている子どもの25%が野球肘を経験しているという報告もあります。
野球肘が悪化すると最悪手術となる場合もあります。その後の野球人生やお子さまの場合は成長にも影響が出るので、痛みを感じたら早い段階から対処することが重要です。
野球肘は、内側型、外側型、後方型の3つの種類に分けられます。
投球動作の際に肘の内側に牽引力がかかると筋肉や靭帯・神経が伸ばされるため細かい損傷が生じます。野球は投球動作を何度も繰り返すため、損傷がひどくなり肘の内側を押したときに痛みが出たり、腫れや投球動作時の痛み、肘の関節の可動域が制限される、しびれなどの症状が起こります。
重症になると、肘の内側の骨が牽引力によって剥離骨折を起こす場合もあります。繰り返し負荷がかかり続けると靭帯が緩くなり肘関節の機能が低下し、球速の低下、遠投の距離の低下、全力で投球できないなどの投球障害が起こる可能性があります。
ボールを投げるとき、肘が外側にひねる動作があり、これが何度も繰り返されると上腕骨と焼骨がぶつかります。すると肘の外側に痛みが出たり、肘の曲げ伸ばしができないといった野球肘になります。外側型野球肘の中でも代表的なものが離断性軟骨炎です。
肘の後ろ側が痛くなるのが特徴的です。投球動作の際に、ボールから手が離れた瞬間や、その後の動作で肘の曲げ伸ばしが繰り返されることが原因として考えられています。
肘頭炎、肘頭疲労骨折などが代表的です。
野球肘は、野球や他の投球スポーツに関連する上腕骨内側上顆(内側上顆骨)の炎症や損傷を指す一般的な用語です。野球肘の発症メカニズムは、以下のような要素が関与しています。
1.過度の投球や投球への過負荷: 過度な投球や過剰な投球回数を行うと、肘関節に負担がかかります。特に、若い選手や成長途中の選手は、まだ十分に発達していない骨や筋肉を持っているため、より敏感であり、野球肘のリスクが高まります。
2.投球動作の過誤: 投球の際に、正しいフォームや技術を欠いた投球動作を行うと、肘に余分な負荷がかかる可能性があります。例えば、肘を下ろすタイミングが遅い、肘をしっかりと伸ばせていない、肘を振り出す際に適切な角度を保てていないなどが該当します。
3.筋力の不均衡: 肘の周囲にある筋肉のバランスが崩れると、肘への負担が増加します。特に、内側の筋群(内側上顆筋や前腕屈筋群)が強力に発達している一方、外側の筋群(上腕三頭筋や前腕伸筋群)が弱い場合、内側の筋肉が肘に対して引っ張る力が強くなります。
4.成長や発育の影響: 子供や思春期の選手は、まだ骨や筋肉が発達途中であり、成長の影響を受けやすいです。成長板(軟骨)が未熟な段階で過度の負荷をかけると、野球肘のリスクが高まります。
以上の要素が組み合わさることで、野球肘が発症する可能性が高まります。予防のためには、適切なトレーニングやフォームの矯正、十分な休息や回復、適切なストレッチやウォーミングアップの実施などが重要です。また、投手の投球回数や投球負荷にも注意し、適切な管理が行われるようにすることも大切です。
最も多い原因は、”オーバーユース”(使いすぎ)によるもので、繰り返す投球動作によって肘に負担がかかることです。野球の投球動作は他のスポーツと異なり、同じ部位に同じ力がかかり続けるため、過剰に負担がかかってしまいます。大人も子どもも投球数の管理には厳重に行う必要があります。
「野球肘」と聞くと肘だけに原因があると思いがちですが、実際は全身の柔軟性低下も原因となることもあります。身体がしなやかに動くと全身の力を使って、良いボールが投げられますし、肘への負担が少なくなります。
野球の投球動作では、上半身の動きだけでなく下半身の動きも重要です。
全身の筋肉を使えていない場合、ボールを投げる腕や肘だけに負担がかかってしまい、野球肘を発症しやすくなります。
また不適切な投球フォームで速い球や遠くに球を投げた場合、たった1球でも肘に大きな負担がかかってしまい発症してしまうこともあります。
正しいフフォームで肘への負担を低くする必要があります。
・投球時や投球後に肘が痛くなる
・肘の伸びや曲げが悪い
・痛くて肘を動かせない
・熱感
・安静時はあまり痛みを感じない
腕に痛みがあり、野球肘の症状をみて「もしかしたら野球肘かも?」と疑う場合は、野球肘のセルフチェックを行なってみましょう。
簡単にできるセルフチェック法をご紹介するので参考にしてください。
左右の状態を確認し、利き腕がもう一方の腕に比べて、曲げづらかったり、伸びづらい状態であれば、野球肘の前兆の可能性があります。
また、肘の内側・外側・後側を押して痛みがでる場合は、すぐに投球を中止し、専門家へ相談することをオススメします。
無理に痛みのでる動作をしないことが大切です。痛みがある時は投球動作は控えましょう。悪化してしまうと、回復するまでの時間がかかってしまいます。
急性の場合は炎症を抑えるため、患部をアイシングしましょう。ビニール袋に氷水をいれたものや氷嚢で、肘の内側と外側の痛む箇所に当てて冷やしてください。
ストレッチは怪我の予防だけでなく、痛みの軽減にも効果的です。また筋肉が硬くなってしまうと、負荷が掛かった場所へダメージが蓄積しやすくなるので、筋肉の柔軟性を保つストレッチが有効です。
試合や練習、仕事などでどうしても肘や手首を動かす必要があるときには、サポーターやテーピングで衝撃を抑えることで、野球肘の痛みを軽減させたり、予防することが可能です。
痛みがおさまったら、日頃からトレーニングを行うことがオススメです。
筋力を強化することで、野球肘の予防となります。
痛みがでている時や熱感がある場合は、悪化させないためにも安静にしましょう。
炎症がある場合は、痛み止めの飲み薬や湿布を使用することで症状が改善します。
ただし、飲み薬などは消化器への副作用が懸念されるため、短期間の使用もしくは専門家へご相談ください。
急性で痛みが強い場合、痛みを取り除くためにステロイド注射は効果的です。
痛みのある部分に注射をすると、1〜2ヶ月程度は症状が改善することが多いですが、痛みが再発する場合も少なくありません。
注射を打つ効果的な期間や回数など注意が必要ため、担当ドクターとよく相談されることをオススメいたします。
ストレッチや筋トレのリハビリテーションは、即効性はありませんが、中長期的に見ると効果が高いという調査報告もあります。身体の痛みに配慮して正しいリハビリを行うことで、怪我の回復だけでなく予防にも有効です。
痛みがある部位の周りの筋肉や筋膜をほぐしたり、ストレッチすることで血流を改善させ、痛みを緩和させます。
ご自身で正しいやり方がわからない場合は、専門家へ相談することをオススメします。
薬物療法やリハビリでは改善が見られず、症状が悪化してしまい日常生活に支障をきたしてしまうぐらい痛みが強い場合は、手術を行うケースもあります。
・投球時に肘に痛みが出る方
・夜痛みで目が覚める方
・痛みが取れてもまた再発する方
・レントゲンを撮っても異常はないと言われた方
・投球禁止で野球を休んでいるけどよくならない方
野球肘は繰り返す投球によって起こってしまうため、そのまま放置しても改善されません。症状が進行すると手術の対象となる場合もあるため、痛みを感じたらまず安静にし、専門家でしっかりケアを行い予防することが重要です。
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伊藤 萌(Moe Ito)
1988年生まれ、東京都出身。主に直営店舗のデータ管理やPRを担当。
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