腸脛靭帯炎（ランナー膝）は、ランニングやジャンプなどのスポーツ活動によって引き起こされる脚の痛みの一種です。この症状は腸脛靭帯に炎症や過負荷が生じ、歩行や運動時に痛みや不快感を引き起こします。

今回は、腸脛靭帯炎の症状や対処法について詳しく解説します。

腸脛靭帯炎（ランナー膝）とは

腸脛靭帯炎（ランナー膝）は、腸脛靭帯と呼ばれる足の内側にある結合組織の炎症や過負荷によって引き起こされる症状です。ランニングやジャンプなどのスポーツ活動によって腸脛靭帯に負荷がかかりすぎることで、炎症が生じ、痛みや不快感が現れます。

腸脛靭帯炎（ランナー膝）になりやすい人は？

以下の要素が、腸脛靭帯炎（ランナー膝）になりやすい人を特定するための指標となります。

ランナー

長距離走や頻繁なランニングを行う人は、腸脛靭帯炎になりやすい傾向があります。繰り返しの衝撃や負荷が腸脛靭帯にかかることで、炎症が生じる可能性が高まります。

足部の異常や筋力の低下

足のアーチの異常や足部の筋力の低下がある場合、腸脛靭帯に過度の負荷がかかり、炎症が生じやすくなります。

過度なトレーニングや急激な運動増加

過度なトレーニングや急激な運動量の増加は腸脛靭帯炎のリスクを高めます。筋肉や組織に十分な回復期間を与えずに運動を続けることで、腸脛靭帯に過負荷がかかります。

腸脛靭帯炎（ランナー膝）の一般的な症状

腸脛靭帯炎（ランナー膝）の一般的な症状は以下の通りです。

脚の内側の痛み

腸脛靭帯炎の主な症状は、脚の内側や足首周辺で感じる痛みです。痛みの程度や範囲は個人によって異なりますが、通常は運動時や負荷をかけた時に痛みが強くなります。

痛みの増悪

運動を続けることで痛みが増悪することがあります。特に下り坂や急な方向転換などで痛みが強くなることが多いです。

動作時の不快感

歩行やランニング、階段の昇り降りなどの動作をする際に不快感や違和感が生じることがあります。

腸脛靭帯炎（ランナー膝）に対する対処法

腸脛靭帯炎（ランナー膝）の症状を軽減するためには、以下の対処法を試してみることができます。

休息と安静

腸脛靭帯炎が痛みや不快感を引き起こしている場合は、運動を休止し、安静にして腸脛靭帯への負荷を軽減します。

アイシング

炎症を抑えるために、アイシングを行うことが有効です。氷や冷却パックを腸脛靭帯周辺に数十分間適用することで、炎症を緩和することができます。

伸展運動とストレッチ

腸脛靭帯の柔軟性を向上させるために、伸展運動やストレッチを行うことが重要です。カーフレイズやアキレス腱ストレッチなどが有効です。

腸脛靭帯炎（ランナー膝）に対する治療方法

痛み止め（内服薬・湿布）

炎症がある場合は、痛み止めの飲み薬や湿布を使用することで症状が改善します。
ただし、飲み薬などは消化器への副作用が懸念されるため、短期間の使用もしくは専門家へご相談ください。

ステロイド注射

急性で痛みが強い場合、痛みを取り除くためにステロイド注射は効果的です。
痛みのある部分に注射をすると、1〜2ヶ月程度は症状が改善することが多いですが、痛みが再発する場合も少なくありません。
注射を打つ効果的な期間や回数など注意が必要ため、担当ドクターとよく相談されることをオススメいたします。

リハビリテーション

ストレッチや筋トレのリハビリテーションは、即効性はありませんが、中長期的に見ると効果が高いという調査報告もあります。身体の痛みに配慮して正しいリハビリを行うことで、怪我の回復だけでなく予防にも有効です。

マッサージ・ストレッチ・運動指導・物理療法

痛みがある部位の周りの筋肉や筋膜をほぐしたり、ストレッチすることで血流を改善させ、痛みを緩和させます。
ご自身で正しいやり方がわからない場合は、専門家へ相談することをオススメします。

シューズやインソールの選択

適切なシューズやインソールを使用することで、足部の負担を軽減し、腸脛靭帯炎の予防や症状の改善が期待できます。

手術

症状が重度で保守的な治療が効果的でない場合や神経への圧迫が強い場合は、手術が検討されることがあります。

こんな方におすすめ

・ランナーやスポーツ選手で足が痛い方

・日常生活に支障をきたしている方

・腸脛靭帯炎の症状が進行している方

まとめ

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